第3回「淡口醤油とクリームチーズ」

クリームチーズの淡口諸味和え

畑島 亮
Cuisine d’Osaka Ryo  

1976年生まれ。幼い頃から物作りと、美味しい料理が大好きで、どちらも両立出来る料理人の道を選び、辻調理師専門学校へ進学。卒業後は、料亭をはじめ、様々なジャンルの料理店で経験を重ね、2010年に開業。ソムリエとしての知識も料理に応用し、大阪の新しい味を、日々追求している。

2011年より大阪料理会に参加し、温故知新を自らのテーマに掲げ、料理を考える際は、特に『香りと食感』を大事に考えております。

<畑島氏>
今回は、淡口醤油の諸味を使った新味です。旨味成分が詰まった淡口醤油の諸味にクリームチーズを漬け込みました。試作したのは約1ヶ月漬け込んだものですが、塩味のバランスを考えますと1週間程度がもっとも使いやすいように思います。また旨味と塩味を活かすために、和える食材に少し甘味を持った柿と無花果そして胡桃を使ってみました。面白い和え物になったように思います。

<真岸研究員>
7月の大阪料理会で大引先生が鶏肉を醤油諸味漬けにされた際、予想よりも固く仕上がったとの報告がありました。今回も淡口醤油の諸味漬けのクリームチーズですが、塩麹に漬けた時の違いを考えました。醤油諸味と塩麹の大きな違いは糖分にあります。米麹から作られる塩麹は糖分が醤油諸味に比べ高くなります。つまりこの糖分が食材をコーティングするため食材に他からの味が入りにくい反面、水分の抜けが少なく諸味に比べ柔らかくなる。一方、諸味の場合は食塩分が高いことから食材の浸透圧で塩味が強くはなりますが、味が入りやすくなるのです。要するに、淡口醤油では食材のクセを損なわず、旨味を引き出し、しまりを持たせ味に深みが増すということになります。

Please share if you like it.
  • URLをコピーしました!