前田 武徳
味菜旬香「菜ばな」
大阪こだわりの河内一寸豆を豆腐に再生させる
一寸豆のルーツは大阪とされている。 発祥説は数有るが、 河内一寸空豆として一寸 (3㎝強) 以上のものだけが選抜され品種改良しその名が全国に知られるようになったのは大阪府下に多くあった雑穀商によるものだろう。 こうした雑穀商はまた同時に種屋でもあり、 全国へ一寸空豆の種を販売していた。 味だけでなく豆の大きさにもこだわり続けた大阪の食文化が生んだ空豆ともいえよう。今回の試作ではこの一寸豆を使っての新緑豆腐。 湯がいた空豆を使いこれに豆腐や卵黄を乳化させたものなどをミキサーにかける。 さらにこれを湯煎し調味した後にゼラチンで固めることで彩りも美しい新緑豆腐に仕上げている。 この豆腐を3つ切り出し、 出汁ゼリーを乗せた上に各々、 翡翠煮にした一寸豆、タイラギの昆布〆、 そしてドライトマトを合わせている。
総評
「色が美しく、 また非常になめらかなことに驚いた」 「ベースが豆腐なので、 食すると口の中で白和え風に変化する」 といった評が寄せられた。 畑会長からは 「ゼラチンを使っているが、 ゼラチンらしさを感じさせない。 けれども何よりも、 豆腐そのものが旨すぎる」 とするコメントが述べられていた。