

岡本 正樹
天の川 なかなか
1961年、大阪生まれ。叔父の串揚げ店『串一』を引き継ぎ、開業。構想10年を経て、2004年、古民家を移築、再利用して『天の川なかなか』をオープンする。独学で磨いた和食の腕と発想を生かした、独創的なコースを提供し、評判に。自家菜園で野菜を育てたり、卓上の炊飯釜をデザインしたりと、フットワークが軽い。大阪料理会では、意想外の提案をするアイデアマンとして目されている。
白玉蜀黍で演出する大阪の土用の愉しみ方
玉蜀黍も最近ではその品種が増え、色合いだけでなく、中には生食用とうたったものまで市場で見かけるようになった。料理屋として、これらの玉蜀黍をどう使いわけていくのか。そのひとつのヒントとして試作されたのが今回の、白玉蜀黍の茶碗蒸しでもあるのだろう。
プロセスはいわゆる常のごとしの茶碗蒸しだが、調味に特製の干し貝や鰹を用いた「かえし」が使われている。今回選んだ白玉蜀黍は皮付きのままに加熱し実と芯に分け、芯の部分を使い昆布と共に出汁を引いている。実の部分はチーズそしてグレープシードオイル等を合わせミキサーにかけることで乳化させている。いわゆる一般的な玉蜀黍では、ミキサーにかけると黄色みがかった彩りとなるが、ここでは狙い通りに白玉蜀黍ならではの純白な色合いとなっている。硝子の器の下部には茶碗蒸し、そして土用の鰻や肝を配し、これらをあえて蓋するように純白な玉蜀黍ソースがかけられている。まずは目で味わう涼味感、次にソースの下から出てくる濃厚な鰻の味わいの妙が食欲を高める演出ともなっているようである。
総評
「何とも涼しげな料理でよかったのではないか」「アイデアが満載の料理だと感じた」などの感想が多く聞かれた。
運営委員からは「鰻とチーズという相性は意外とよかった」「純白のソースは面白いと思ったが、味わい的には裏漉しをかけた方が、さらによかったのではないか」といった意見に加え「今回は白玉蜀黍であったが、いろんな玉蜀黍をブレンドして使うといったことにも是非チャレンジしてもらいたい」というコメントもなされていた。




