今月の料理会– 記事一覧 –
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河内鴨と泉州玉葱の取り合わせ椀
【一椀に取り合わせる、ふたつの大阪食材の妙。】 琵琶湖の真鴨を好物としていた太閤秀吉。その味わいを大阪の地でも味わいたいと大阪における鴨の飼育を命じた。これに... -
桜鱒ノ共身味噌焼き
【調味料に頼らず食材から出汁の深みや旨味を引き出す】 鱒と鮭はその相違がよく話題にあがる。ごく大雑把に云うならば鱒は鮭よりも、その住みうる範囲が広いということ... -
泉州新玉葱の擂り流し
【新玉葱の瑞々しさが際立つ大阪らしい冷製椀】 国産の玉葱発祥は大阪府の泉南地域である。昭和初期には産出量が日本一となったが、玉葱そのもののブランド力は現在は淡... -
竈で味う、碓井豌豆御飯
【季節の御飯を客個々の竈で味わってもらう】 竈(かまど)は、関東ではヘッツイ、関西ではクドとも呼ばれている。かまどの義は「釜処」で、食事を整え煮炊きをする場所... -
櫻鯛ノ爽煮酸湯仕立て
【調味料ではなく食材から出汁の深みや旨味を引き出す】 明治に入って大阪は海の玄関口として府庁を大阪湾にほど近い江之子島に置いた(現在の西区の阿波座から九条辺り... -
蜆ノ洋技味噌清し汁
【蜆出汁をさらに和食の上領域へと発展させる】 夏場の土用蜆がいわゆる腹薬とされるなら、味の旬は寒蜆のシーズンということになるだろう。冷凍技術の進んだ現代では冬... -
若布三様 春味山海競
【早春山海食材を三様若芽で纏わせる味遊び】 関西の若布といえば江戸時代から鳴門若布が知られている。様々な乾し方と調理法が大阪でもなされてきた。今回の試作では三... -
蕗の薹ノ豆腐 灰干若芽餡掛
【出過ぎない蕗の薹の芳香と苦味を若布が演出】 関西だけの諺かどうかは分からないが、蕗の薹と姑は踏むのがよい、と云われてきた。この言葉の真意は何かといえば「出過... -
泉州若芽の真薯
【泉州若芽を使って春の大阪湾を椀に仕立てる】 淀川や大和川など多くの河川が流れ込む大阪湾では海苔や若芽の養殖が今も続けられている。特に若布は独特な柔らかさを持... -
備中と加賀の良さを合わせ持つ河内蓮根を使い尽くす
【郷土料理を料理屋風に仕立て名物料理とする】 現在の蓮根産地として知られるのは茨城に佐賀に徳島だが、ひと昔前は備中に加賀が西日本市場におけるブランドであった。... -
凍海鼠ノ酒盗粥浸と馬鈴薯餡
【海鼠処理の常識を覆す割烹ならではの発案】 ナマコの下処理として酢を用いることは古くから知られているが、時を経たナマコの処置には多くの料理人が頭を悩ませてきた... -
金海鼠ノ雲丹真蒸射込み
【大阪好みの金海鼠で演出する海山の春味】 金海鼠(きんこ)はナマコの一種で褐色系が特徴であり緑系のものと区別される。昔から関東では劣等扱いされてきたが、関西で... -
ぶり大根の大阪料理仕立て
【郷土料理を料理屋風に仕立て名物料理とする】 冬の関西家庭料理の定番に、ブリ大根がある。「関東の鮭、関西の鰤」とされてきた関西好みのブリの旨さを堪能できる味わ... -
フグの使い切り雑炊椀
【大阪冬の名物料理を夏でも食したい逸品に仕立て直す】 冬の大阪の食風物詩にフグがある。そのフグ料理でよくいわれるのが、フグ三品の「てっさ、白子、雑炊」。中でも... -
干鱈と蕪ノ銀杏味噌仕立て
【大阪ゆかりの食材を活かした名物料理へのヒント】 御堂筋の銀杏並木は大阪を象徴する歴史的景観として大阪市指定文化財にもなっている。観光都市としての大阪を考える...