伝助穴子ノ俵揚げ

村田 啓
天神町 むら田  

自分の目の届く範囲で最高の料理とサービスを提供したいという想いから、カウンター8席のみの小さな設えに。
その分一人ひとりのお客様に最高の料理を最高のタイミングで提供するよう心掛けています。

大ぶりという短所を長所に変え、祝膳の一品に

穴子は関西では女性に好まれる食材のひとつ。大阪では堺が穴子を名物としており、その味を引き継ぐ店が今も残っている。そんな穴子の夏シーズンが終わる頃に出始めるのが真穴子の数倍は大きい伝助穴子。大阪ではデンスケ、瀬戸内ではベエスケと呼ばれている。
大阪湾で穴子が多く獲れていた昭和中期頃までは、あまり人気がなかったが、最近では穴子の不漁も関係してか、脂ののりの良さもあり様々な料理に使われだしているようだ。今回の試作はそんな伝助をお目出度い俵揚げにした一品。

先ずは伝助を骨切りし、そこに白葱を芯に、皮目を内にして巻き込む。これに米粉や米菓子的なライスパフを衣にすることで、俵形に仕上げている。
付け合わせの小蕪は皮付きのままに焼き蕪とし、大阪菊菜をペーストにしたものを調味し皿上に敷くことで秋らしい彩りを演出している。これまでは主役にはなりづらい食材であった伝助穴子も、その大きさを活かし俵に見立てたところに大阪料理らしい翠や面白さが感じられる。

総評

「葱の香りや味わいがよく出ている」「菊菜の色合いが何とも鮮やかで良い」などの評が寄せられていた。運営委員からは、「伝助の皮側を内にしているが、逆にした方が香ばしさが立ったのではないか」。また会長からは「確かに菊菜の色合いは良いが、蕪を使っているので、ここでは蕪の茎葉を活用すればさらによかったように思う」といったアドバイスがなされていた。

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