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河内蓮根と料亭「冨竹」
笹井良隆の浪速魚菜話 数千年前の大阪は河内平野と上町台地が大きな河内湖を抱く地形で、そこに淀川や大和川の土砂が堆積してできた都市である。その河内潟のほぼ中央に... -
備中と加賀の良さを合わせ持つ河内蓮根を使い尽くす
【郷土料理を料理屋風に仕立て名物料理とする】 現在の蓮根産地として知られるのは茨城に佐賀に徳島だが、ひと昔前は備中に加賀が西日本市場におけるブランドであった。... -
凍海鼠ノ酒盗粥浸と馬鈴薯餡
【海鼠処理の常識を覆す割烹ならではの発案】 ナマコの下処理として酢を用いることは古くから知られているが、時を経たナマコの処置には多くの料理人が頭を悩ませてきた... -
金海鼠ノ雲丹真蒸射込み
【大阪好みの金海鼠で演出する海山の春味】 金海鼠(きんこ)はナマコの一種で褐色系が特徴であり緑系のものと区別される。昔から関東では劣等扱いされてきたが、関西で... -
ぶり大根の大阪料理仕立て
【郷土料理を料理屋風に仕立て名物料理とする】 冬の関西家庭料理の定番に、ブリ大根がある。「関東の鮭、関西の鰤」とされてきた関西好みのブリの旨さを堪能できる味わ... -
フグの使い切り雑炊椀
【大阪冬の名物料理を夏でも食したい逸品に仕立て直す】 冬の大阪の食風物詩にフグがある。そのフグ料理でよくいわれるのが、フグ三品の「てっさ、白子、雑炊」。中でも... -
干鱈と蕪ノ銀杏味噌仕立て
【大阪ゆかりの食材を活かした名物料理へのヒント】 御堂筋の銀杏並木は大阪を象徴する歴史的景観として大阪市指定文化財にもなっている。観光都市としての大阪を考える... -
鰹酒盗ノ共和え
【自家製にこだわり酒盗本来の持ち味を引き出す】 鰹を使った副産物として最も古いもののひとつに「酒盗」がある。ある西国の大名が初めてこれを賞味した際に、酒量を進... -
雛豆ノ自家製白味噌仕立て椀
【大阪の気温を生かした発酵の妙を味に活かす】 日本古来の発酵食品である味噌には全国様々な種類がある。これは発酵に必要な温度差が大きく関係している。東北などの寒... -
大阪産サゴシ醤油諸味乾酪ノ乳酪掛け
【和洋の発酵食品の融合で大阪料理の味を拡げる】 サワラは魚偏に春と書くが、その旬は2度あり秋の鰆もまた素晴らしい。そんな秋サワラの漁期が終わる頃に近海に現れる... -
香茸の栗飯蒸し
【大阪好みの香茸と秋山の幸を飯蒸しに詰める】 香茸はその笠の裏に毛のようなものを持っている。それが獣の皮のようであることから、これを皮茸と呼び、処によってはシ... -
大阪原木椎茸ノたもぎ茸肉包み
【原木椎茸の魅力を大阪的に味わう】 最近、全国的に行われてる椎茸の原木による栽培。あまり知られてはいないが、かつて大阪は原木椎茸の生産量が日本一であった。また... -
包丁妙味三種ノ茸椀
【周年素材としての養殖茸を包丁技で活かす】 割烹の大阪では、味だけではなく包丁技で食べさせるのも魅力のひとつとされてきた。今回の試作では、その包丁技で周年使え... -
烏賊下足真薯焼 柚子胡椒餡
【客前で行う割烹仕事に相応しい真薯料理】 剣先や紋甲にアオリなど料理屋でよく余ってくるのが季節の烏賊の下足。これらを始末の心で真薯に仕立ててはどうか、というの... -
冷製二種真薯の李茶ジュレ仕立て
【大阪料理らしい割烹的な夏真薯の仕立て方】 旬とは味わいの大きさもあるだろうが、獲れる量も多いという意もある。これを芋類と合わせ作る真薯は、いわば季節的な料理...